
[ソウル=ヘルスコリアニュース] NK(自然殺害)細胞を活性化させる「ULBP1」というタンパク質の発現が高いほど卵巣がん患者の生存率が高いという研究結果が出た。 これは卵巣がんにおけるNK細胞の役割が究明されたもので、免疫細胞治療の新たな代案になるものとみられる。
茶医科学部盆唐女性茶病院婦人癌センターのパク·ヒョン教授、病理科クォン·アヨン教授、茶医科学部医学科のイ·ジフン博士の研究チームは卵巣癌患者の組織を分離して分析したこうした内容の研究結果を最近「延世医学ジャーナル」に発表した。
NK細胞はがん細胞の免疫監視を担う主要細胞だ。 NK細胞はガン細胞表面活性因子によって刺激を受けて活性化し、活性化したNK細胞はガン細胞を殺害する。 [図1参照]
難治性癌である卵巣癌は現在までNK細胞及び関連分子生物学的要因が臨床的に及ぼす影響が明確に明らかになっていない。
![[図1] 活性化されたNK細胞ががん細胞を殺害する過程。](/news/photo/202106/1_191_177_2654.jpg)
研究チームは卵巣がん患者79人を対象に卵巣がん組織を分離してNK細胞主要活性化受容体であるNKG2Dと結合するMICAB、ULPB1、ULPB3などの発現程度を分析した。
その結果、ULBP1の発現比率が高い患者は、低患者に比べて卵巣がん再発のリスクが26.3%P低いことがわかった。 生存分析においても、年齢と抗がん抵抗性とともにULPB1の発現程度が生存率と関連があるものと確認された。
また、卵巣癌の中で最も予後が良くない高等級腸液性腺癌組織でNK細胞分布図を確認した結果、NK細胞が発見された患者群は再発されなかった。 NK細胞が発見されなかった患者群は54.3%が再発し、30.1%は卵巣癌で死亡した。
パク·ヒョン教授は「最近、癌治療に標的療法など様々な新しい治療が適用されているが、卵巣癌は依然として治療が難しく治療反応を予測することも容易ではない、今回の研究を通して卵巣癌におけるNK細胞の役割と重要性を確認することで難治性癌でNK細胞を利用した免疫細胞治療が新たな代案になるものと期待される」と明らかにした。
今回の研究は、韓国保健産業振興院と保健福祉部の支援で行われた。