[ソウル/ヘルスコリアニュース] 血液中の免疫反応誘発たんぱく質をナノ粒子に付着すると、たんぱく質の構造がひどく歪み、免疫反応が活性化するという新しい研究結果が出た。
嘉泉大学医学部のカン·ドンウ教授の研究チームは、別途の薬物投与なしでもナノコロナだけで毒性反応なしに特定免疫細胞の活性化が可能だという内容の研究結果を国際学術誌「アドバンスドサイエンス」3月1日付に発表した。
ナノコロナはナノ物質と血漿タンパク質が反応して形成され、タンパク質コロナはナノ物質を血液に注入した時、多くの血液タンパク質がナノ物質に吸着して形成される。
ナノコロナの場合、どのような要素によって免疫反応が発生するかの定義が明確ではなく、臨床的応用が困難であった。
研究チームは、ナノ物質であるナノチューブとタンパク質「コロナ」を人為的に結合させて構造的変化を分析し、免疫反応に及ぼす影響を確認した。
血液中でナノ物質と反応するタンパク質は、アルブミン、免疫グロブリン、プロテアーゼ、アルファ糖タンパク質、脂肪タンパク質、フィブリノゼン、ビトロネクチンなど非常に多様な種類があることが知られている。
研究チームは、これらたんぱく質のうち免疫反応と関連のある免疫グロブリン、アルファ糖たんぱく質をナノ物質に人為的に反応させた時、たんぱく質の構造がひどく歪む現象(ConformationalChanges)を発見した。 免疫反応と無関係なフィブリノゼン、ビトロネクチンをナノ物質に人為的に結合した時は、タンパク質の構造変化が全く起こらなかった。
人為的に合成されたナノコロナと免疫細胞を反応させた時、構造がひどく歪んだナノコロナに対しては免疫細胞の反応が非常に活発だったが、構造の変化がないナノコロナの場合、免疫細胞の反応が全くなかった。
それだけでなく、人為的に形成したナノ-コロナをネズミに注入させた時、構造が激しく変化したナノ-コロナは先天免疫反応を上げるだけでなく、2週間後にT細胞の活性及びB細胞の抗体も共に増加させた。 一方、構造の変化のないナノ-コロナはいかなる免疫反応も誘導しなかった。
研究チームは「タンパク質構造が激しく変化したナノコロナを利用すれば好中球、自然殺害細胞(NK細胞)、細胞毒性T細胞(cytotoxicity T細胞)の増加が可能だ」とし「だけでなく、これは先天および適応免疫の向上を利用した抗がん免疫治療およびウイルスワクチン開発にも活用できる」と説明した。
今回の研究は科学技術情報通信部と韓国研究財団が推進するバイオ医療技術開発および中堅研究支援事業の一環として行われた。