
【ソウル=ヘルスコリアニュース】 がん患者が放射線治療を受けると、髪の毛が抜けると知っている人が多い。 しかし、これは誤解だ。 結論から言えば放射線治療を受けても髪の毛は抜けない。
多くの人がこのように誤解しているのは、放射線治療と抗がん薬物治療を混同するためだ。 がん患者に行う治療は、大きく手術的治療、放射線治療、抗がん薬物治療に分けられる。
このうち放射線治療と手術的治療は「局所治療」だ。 局所治療は文字通り特定部位にのみ効果を及ぼす治療だ。 肺がんで手術を受けると、ナイフで肺がんだけを切り取る。 腹部、頭、腕、足など他のところには手術的治療の影響が及ばない。
同様に肺がんで放射線治療を受ければ、肺がん部位にのみ放射線を照射する。 肺がん以外の他の部位には放射線を照射しないため、他の部位には放射線治療の影響が及ばない。 当然、肺がんで放射線治療を受ける時、髪の毛が抜ける理由は全くない。
一方、抗がん薬物治療は抗がん剤を服用したり、注射で体内に投与する。 体内に投与された抗がん剤は血液に乗って全身に広がるため、体全体に抗がん効果が現れる。 抗がん薬物は急速に成長する組織に影響を及ぼすため、癌組織に主に影響を及ぼすが、髪の毛や爪のように成長し続ける部位も影響を受ける。 抗がん薬物治療後、髪の毛が抜けて爪が剥がれるのはまさにこのような理由のためだ。
放射線治療は癌患者に施行する代表的な局所治療だ。 癌組織以外の他の部位には放射線を照射せず、放射線を照射されていない部位は放射線治療によるいかなる副作用も生じない。
肺がん患者は胸部に放射線を照射して肺炎、食道炎などの副作用が生じることがあり、肝臓がん患者は腹部に放射線を照射するので肝炎、胃腸炎などの副作用が生じることがあるが、髪の毛が抜けたり爪が剥がれたり、指先とつま先がしびれる副作用は生じない。
放射線治療技術が発達し、放射線を照射する方式もますます精巧になっている。 放射線治療による副作用の発生も、ますます少なくなっている。 放射線治療に対する誤った常識と根拠のない偏見がなくなることを期待する。 [文: 慶熙(ギョンヒ)大学病院放射線腫瘍学科のコン·ムンギュ教授] -헬스코리아뉴스-