[ソウル=ヘルスコリアニュース] フィラデルフィア陽性急性リンパ母球白血病患児(子供の病人)がソウル聖母病院血液病院小児血液腫瘍センターでワンショット抗がん剤と呼ばれるカートT(CAR-T)細胞治療剤「キムリア(KimriaI、成分名:ティサゼンレクリュセル·tisagenlecleucel)」の投薬を受けて新しい人生を得た。
患者は今年8歳のチョン某君だ。 この患児は2019年10月、フィラデルフィア陽性急性リンパ母球性白血病(Acute lymphoblastic leukemia)の診断を受け、抗がん治療を行っていたところ、2020年3月に兄弟から造血母細胞移植を受けた。 以後、血液検査で白血病細胞が除去された状態である「完全寛解」(CR)の診断を受けて退院し、日常生活に戻ったが、今年4月18日に同じ疾患が再発した。
すでに抗がんと造血幹細胞移植治療まで受けて再発したため、小児血液腫瘍センターは苦心の末、最近導入されたカートT細胞治療を決定した。 5月10日、患児の血液からT細胞を抽出した後、オーダーメード型治療細胞を装着した「キムリア」を製造し、6月14日に患児に投与した。
以後、医療スタッフは患児の健康状態を注視していたところ、ついに状態が安定して施行した骨髄検査で完全寛解(CompleteResponse、CR)を確認し、7月1日に退院措置した。 チョン君は退院後、7月7日の定期検診のために訪れた病院の血液検査で、フィラデルフィア染色体が陰性の最高状態、すなわち完全寛解に達したことが確認された。
急性リンパ母球性白血病はすべての年齢で発生するが、小児に最も一般的な癌で、15歳未満の小児白血病の75%を占める。 この患児のようにフィラデルフィア染色体に陽性反応を示し、造血幹細胞移植治療まで受けたが、再発した事例は高危険群に該当する。
CAR-T細胞治療剤(ChimericAntigenReceptorTcellTherapy)は、キメリク抗原受容体T細胞を操作し、ガン細胞だけを選んで精密に攻撃するように設計された血液ガン治療剤だ。 最新の1人オーダーメード型免疫細胞治療剤でもある。
「キムリア」は既存の抗がん治療に反応がない患者に高い治療効果を立証された先端バイオ医薬品で、今年4月から健康保険が適用されている。 今後、これ以上治療に反応のない不応性や患者の体にがん細胞が再び生まれる再発血液がん患者に新しい希望になるものと見られる。
患児の母親は「厳しい治療期間をたくましく乗り越えた子供に感謝し、今後再発せずに健康に完治して白血病を患っている他の友達にも希望になってほしい」とし「今年は小学校教育をオンラインで受けているが、来年は学校に行けることを願う」と話した。
患児の主治医であるキム·ソング教授は「小児白血病は小児癌の中で最も比率が高い疾患で、患児が診断されれば抗がん治療と造血幹細胞移植まで受け、長い間病魔と戦うが、今回の成功で既存の治療法でも健康を取り戻すことが難しかった多くの患児に新しい希望になることを願う」と明らかにした。