[ソウル=ヘルスコリアニュース] 国産1号コロナ19抗体治療剤のセルトリオン(Celltrion)の「レッキロナージュ」(Regkirona Inj. 成分名:レグダンビマップ·Regdanvimab)が欧州連合(EU)から正式承認を受けた。
欧州連合執行委員会(European Commission、EC)は現地時間12日、韓国製薬会社セルトリオンの「レッキロナ-注」と米国製薬会社リジェネロンの 「ロナフレベ」(Ronapreve)など2種のコロナ19治療薬を正式に承認した。
今回の正式承認は、欧州医薬品庁(EMA)傘下の薬物使用諮問委員会(Committee for Medicinal Products for HumanUse、CHMP)が現地時間11日、「レッキロナ」に対する承認勧告意見を出してからわずか1日後に行われたものだ。
CHMPがコロナ19抗体治療剤に承認勧告意見を出したのは今回が初めてだ。 国産抗体新薬が欧州で正式承認を受けたのも今回が初めてだ。
通常、CHMPの承認勧告から1-2カ月後にECが最終承認するかどうかを決定することを考慮すれば、異例のことだ。 それだけ欧州現地の「コロナ19」状況が緊迫しているという意味に解釈される。
欧州は現在、「コロナ19」が再び大流行している。 社会的距離を置くことの緩和による後遺症だ。 フランスでは毎日1万人、ドイツでは3万人以上のコロナ新規患者が発生している。
欧州での許可は、米国など他の地域での許可に有利な条件だ。 セルトリオンは現在、米食品医薬品局(FDA)と「品目許可申請前ミーティング」を行っている。 米国ではリジェネロンとイーライリリー(EliLilly)が開発した抗体治療剤が緊急使用承認を受けたが、生産物量の大部分が先買いされたほど供給が不足しているという。 「レッキロナ」が米国で正式に承認されれば、速やかにグローバル市場でのシェアを拡大できるとの見通しが出ている理由だ。
‘レッキロナ’はアメリカとヨーロッパの他にも7月と8月にインドネシア食品医薬品安全局(BPOM)とブラジル食品医薬衛生監視局(ANVISA)から緊急使用承認を受けてから該当国に輸出され、現在実際に処方が行われている。 このほかにも、海外30ヵ国あまりで許可や販売交渉を進めている。
国内では今年9月に食品医薬品安全処から正式品目許可を取得した。 その後、最近まで国内127病院で2万1366人の患者に投薬(11月5日中央防疫対策本部発表基準)され、処方データが蓄積されている。
ユジン投資証券ハン·ビョンファ研究員は「セルトリオンがコロナ治療剤を開発して承認された少数のグローバル企業に地位が高まったのは中長期的に見れば大きな資産を得たこと」と評価した。
セルトリオンは「レッキロナージュ」を吸入型製品としても開発している。 現在オーストラリアで臨床試験を進行中の吸入型「レッキロナ」は、口から薬物を吸入してコロナ19ウイルスに感染した気道粘膜に抗体を伝達する治療剤だ。 飲み薬のように患者が自宅で簡単に投薬できる。