「ソウル=ヘルスコリアニュース」 東国(トングク)製薬(権基範副会長)が肺炎治療剤として使われる抗生剤「テイコプラニン」(Teicoplanin)をコロナ19治療剤として開発する。 コロナ19(COVID-19)ウイルス増殖抑制能力を確認したことによるものだ。
東国製薬は今年1月、新種感染病に対する先制的対応のレベルで高麗大学校世宗産学協力団及び高麗大学校薬学部と「テイコプラニンの抗コロナウイルス効能検証研究」契約を締結し、コロナ19抗ウイルス治療剤の開発のための各種研究を行ってきた。
研究結果、最近ベロ(Vero)細胞株効能検索システムにおいて「テイコプラニン」が100μM以下の濃度においても細胞変病効果を遮断し、細胞毒性が現れないという事実を確認した。
東国製薬側は「今回の細胞試験の結果、効能濃度と細胞毒性濃度の差が大きく、治療用量選択の幅が広くなった、低用量投与でコロナ軽症患者の症状緩和および治療はもちろん、高用量の重症患者治療まで効果があると期待している」と説明した。
テイコプラニンはグライコペプチド系のスーパー抗生物質で、スーパーバクテリアと呼ばれる「メチシリン耐性ブドウ球菌」(MRSA)と「バンコマイシン耐性腸球菌」(VRE)を効果的に制圧する抗生物質だ。 特にVREに耐性を示す菌株に対する感受性が高く、腎毒性を含む副作用が少なく、まだ耐性が生じていない次世代抗生剤で、肺炎をはじめとする皮膚疾患·骨関節感染症·尿路感染などに使われる。
東国製薬関係者はヘルスコリアニュースとの通話で、「『テイコプラニン』の効果的なコロナ19治療剤としての開発潜在力にもかかわらず、まだ国内外で体系的な非臨床、臨床研究が行われた事例がないため、各段階別に定められた手続きに従って迅速に実験を進める計画」とし、「4月に食品医薬品安全処に臨床試験計画書(IND)を提出する計画」と述べた。
会社側は「テイコプラニン」の投与経路と用量範囲が既存の許可内容と同じで,安全性が確保されたため臨床試験期間も短縮されるものとみている。
インド工科大(Indian Institute of Technology=IIT)の研究陣は最近、「テイコプラニン」がエイズ治療剤の「ロピナビル」、抗マラリア治療剤の「ハイドロキシクロロクイーン」より10-20倍以上コロナ19治療効果が高いと発表している。
なお、イタリア研究グループは最近、集中治療センターの高齢重症患者を対象に「テイコプラニン」を投与した結果、4割でウイルスが完全に消滅し、二次細菌感染による合併症状の発現や副作用が報告された事例もなかったと発表している。
東国製薬は「テイコプラニン」が既存のコロナ19治療剤と並行使用し、治療効果を高められると判断している。 「テイコプラニン」は既存の治療剤の作用機序(メカニズム)と違い細胞感染に必須の「カテプシンL」(CathepsinL)の活性を特異的に阻害するためである。 すでに肺炎治療剤として使われているだけに、2次感染による肺炎症状の悪化を防止できるというメリットも期待できる。
東国製薬関係者は「'テイコプラニン'はコロナウイルス系列のSARS、メルス、エボラウイルスに対しても抗ウイルス効能を持つと報告されたことがある」とし「テイコプラニンはコロナ19治療と2次感染まで防止できる治療剤という点で開発にかける期待が大きい。 動物効力試験の結果を迅速に確保し、国内臨床で有効性を立証する」と強調した。
一方、東国製薬は「テイコプラニン」に対する完成医薬品の生産はもちろん、原料医薬品の生産のための発酵生産ラインを備えており、品質の優秀性が認められ2007年に日本PMDAの許可を受けた。 以後、11年3月にはジェネリック(複製薬)としては初めて欧州EDQM認証を取得した。