[ソウル/ヘルスコリアニュース] 精神分裂症と呼ばれた「統合失調症」はドーパミン、セロチニンなど神経伝達物質のバランスが崩れて生じる脳の病気だ。 普通20代から30代の間に発生し、臨床的には過度な疑いと不安、睡眠障害、社会関係の断絶、学業成績の低下が原因となって現れることもある。
統合失調症の治療のためには、何よりも神経伝達物質がバランスを回復するよう助ける薬物治療が重要であるが、継続的に治療すれば十分調節できるだけでなく、就労や社会生活も可能であることが知られている
しかし、治療時期が遅れたり、治療剤の服用を勝手に中止すれば、治療効果が落ちるのはもとより、健康な社会人としての復帰が難しくならざるを得ない。
そのため、統合失調症治療は発病初期から積極的な介入と管理を目指すだけでなく、長期間治療が可能な形に発展しているが、そのうち注目すべき治療方法が「長期持続型注射剤(LAI、Long-Acting Injection)」の使用である。
長期持続型注射剤は抗精神病薬物を1ヵ月に1回、あるいは3ヵ月に1回ぐらいの注射を受けても治療効果が一定に維持される治療剤で、薬物が筋肉から血液へゆっくり放出されるように作られた。 治療に対する順応度を高め、血液中の薬物濃度が一定であるだけでなく、毎日服用しなければならない経口薬の不快感を軽減させ、利便性を向上させた点でも認められている。
だからといって、長期持続型注射剤がすべての造弦病患者に使われているわけではない。 薬物治療を任意で中断する患者、これによって精神症が引き続き再発する慢性造弦病患者に対してのみ主に使われている。 初期患者の場合、注射剤の処方と使用が慣れない点、人体に侵襲的な方法で投与しなければならない注射剤のイメージによって、注射剤より経口薬中心に治療が進められてきた。
ところが「長期持続型注射剤」が初期の造弦病にも効果的で、これらの社会的機能も向上したという研究結果が出た。
盆唐(プンダン)ソウル大学病院精神健康医学科の金ウィテ教授チームは、長期持続型注射剤の「チョヒョン病」治療効果を把握するため、国内105の病院·医院で注射剤治療を受けた1166人の患者を対象に、チョヒョン病発病期間による治療結果を分析した。
まず、患者グループを統合失調症が発生した期間によって「3年未満」(240人)、「3年以上10年未満」(442人)、「10年以上」(484人)の3つのグループに分類し、各グループごとに長期持続型注射剤を通じて症状がどれだけ改善したのか、治療効果を比較した。
研究の結果、三つのグループともに、統合失調症の症状が好転したが、特別に発症期間が3年未満の初期の統合失調症患者からさらに好転する様相を見せただけでなく、障害回復能力及び社会的機能点数も初期の統合失調症患者が慢性患者に比べて顕著に向上したことがわかった。
研究を主導したキム·ウィテ教授は「これまで長期持続型注射剤治療の大部分を慢性造影病患者にだけ適用してきたが、初期患者でより優秀な治療効果を見せた結果は非常に鼓舞的だった」とし「今後、長期持続型注射剤の役割がより重要になる」と述べた。
今回の研究結果は、国際学術誌米国精神医学ジャーナル「Journal of Clinical Psychiatry」1月号に掲載された。